春眠暁をジョーン・バエズ
年度末でなにかと慌しいこの時期、寝不足な毎日を送っておられる方も多いことでしょう。かくいう僕も眠くて仕方ありません。
しかし流石に昼間から職場で堂々と寝るわけにもいかないので、折衷案としてトイレの個室で寝るという手を思い付きました。睡魔に襲われたら「あー今日は朝から腹痛いわー」などと言い訳しながら、さりげなくトイレへ。便座の蓋をして10分ほど仮眠。しばらく個室にこもっていると誰かが横の個室に入るので、その人がトイレを流す音で目が覚めてまた仕事に戻れるという按配。こりゃ良いね。
の筈だったんですが、今日はトイレに入ったまま30分も熟睡してしまいました。
なんだ?なんで誰もウンコしないの?
社員全員便秘かよ?と慌てて個室を飛び出したところ、隣の個室から幸せそうなイビキが。しまった!隣も寝てたよ!
職場で僕がいる部署から一番近い男子トイレは個室が2つしか無いのです。
だから隣も寝ていると必然的に誰も水を流さない、トイレットペーパーをむしるカラカラ音もしない。これは盲点でした。あぶねーあぶねー。
早速部署に戻って隣の個室で寝ていた張本人・同僚の稲川さんと作戦会議です。
「ちょっと!稲川さんも個室で寝てたら僕が困るじゃないですか!」
「なんだ、お前もトイレで寝てたのかよ」
「そうですよ!いつも水が流れる音で起きてたのに!」
「じゃあ俺はどこで寝れば良いんだ!」
「交代制にしましょう。2人同時は流石にまずいです」
「あー、すまんな。でも俺トイレで寝るのもういいわ。寒い」
「あれ?そうなの?」
「やっぱ尻出して寝るのは良くねえな。すっかり腹が冷えたよ」
いや、トイレで寝るだけなら別にパンツは脱がなくて良いんじゃないのかな....。その一言がいえずに唖然としていた僕に、同じ部署にいるもう一人の同僚である渡辺さんが声を掛けてきました(僕が仕事をしている部屋は普段、会議などの場合を除いて僕・稲川さん・渡辺さんの3人しか人がいません)。
「わざわざトイレまで行かなくてもさ、島くんと稲川さんがいない間、この部屋で私ずーっと寝てるよ。トイレと違って暖かいし、すごい快適ー」
「....!」
「....!」
以下異口同音気味に。
「じゃあこの部屋で3人仲良く寝れば良いじゃんね」
「ですよねー。気付かなかったなー」
「お前がトイレでコソコソ寝るのがダメなんだよ」
「そうだよ。私たち3人の間で隠し事は無しにしようね!」
「わー、いいこと言うなあ」
これまでに無く堅い友情で結ばれた同僚3人。
仕事で一番大切なのって、やっぱチームワークだよね。