The Unforgiven

そう、確かにヘヴィ・メタル、ヘヴィ・ロックは一種のお笑いだ。
メタリカの『ブラック・アルバム』を聴きながらふとそう思った。


「The Unforgiven」のクサイいアコギに象徴される彼ら独特の世界観。「Through The Never」の無意味なスピードと「寿司」「トリ」「ニラレバ」。
カッコ良いけど、同時に滑稽さも内包されている。


AUDIOSLAVEだってそうだ。
ケータイの着メロのような薄っぺらい音をバックに、クリス・コーネルが壮大に歌い上げてるのだって、ド派手に大量の花火を打ち上げるPVだって、考えてみるとかなり笑える。


僕はあらゆる音楽ジャンルの中でメタル方面だけはどうしても苦手なわけだけど、それはある種のユーモア感覚が自分に欠けているからかもしれない。


「カッコ良いけど笑える」


ビッグヘアーしかり、ステージでの規則的なパフォーマンスしかり、このジャンルは何よりユーモア感覚の求められる音楽なのだろう。


様式美を楽しむ。
「ロックはパーフェクトなカッコ良さを持ってなければならない」
そんな様式美に囚われていたのはむしろ僕の方かもしれない。


とは言っても、好きになれそうなのはやっぱ限られてるけど(笑)。