虎の意地

以前にも書いたと思うんですが、僕は京都出身ということもあって、かなり熱心な阪神ファンです。阪神戦を見る為だけにスカパーにも加入しています。しかも加入したのは星野就任以前の最下位独走時代。マゾにもほどがあるね。


当時阪神中継の大半を占めていた実況・解説といえば、「さあ、俊足の○○がバッターボックスに入りました!」「足速いんですよね。塁に出れば、ね」「残念、○○は2打席連続の空振りに倒れています」といった調子。


今年は(昨日は負けてしまいましたが)好調で嬉しいかぎり。優勝云々は別にして、最低限の戦力すらない状況、スタメンの大半が他球団の守備固めの選手と同レベル以下という時代を知っている人間としては打線が繋がっただけで涙ぐみそうになりますね。まじで。


正直「2者残塁!」とか言ってるだけでも泣ける。残塁とか贅沢言ってんじゃねえよお前ら。塁に出てるんだぜ?あの阪神の選手が。そこをもっと前向きに評価(略)。


そんな僕が全てのインターネットに接続している阪神ファンに広くお薦めしたいのが、和田豊 OFFICIAL WEBSITE


あの阪神不遇時代に一人バッティング好調を維持、長年に渡って打率3割を誇った孤高のバットマンにして現在の阪神タイガース打撃コーチ、和田豊がほぼ毎日試合の模様を「こいつ本当に舞台裏で見てるのか?」と疑問を投げ掛けたくなるほど薄っぺらに、まるで実況アナウンサーのようにコツコツと綴っていくサイト。
まあ、和田らしいといえば和田らしい。


選手を全員あだ名で呼びながら、「ひー(桧山)」「モンキー(藤本)」などと、読んでいる人間に気を配って誰のことかわかるように( )を付ける誠実さも極めて和田的。結局二度手間でそれじゃニックネームで呼ぶ意味がないじゃないか、なんてことは言ってはいけません。


しかし昨日、この、和田豊 OFFICIAL WEBSITE上で衝撃の事実が明らかになりました。


ここから先は阪神ファンで無い方にも見て欲しい。
上記リンク内、6月13日の日記をぜひご覧ください。短い内容なので(本当はいけないんだろうけど)、こっそりここでも引用しておきます。

ただ今、2時55分です。
『野球日記』、「今日のひとりごと…」打ち終わり、送るだけの段階でなんとフリーズしてしまい全てが消えてしまいました(涙)。おまけにもう終わったと思い、下書きを破ってしまいました。もう一度、打つ気力は今はありません。一日だけお休みを下さい。くそ〜!(苦笑)

やはり13日の金曜日だった…3時間を返せ〜!


凄くないですか、これ。
1度の日記を書くのに、なんと和田は毎回3時間掛けているわけです。しかも一度下書きをしてから。そして書き終わると下書きを破る。


インターネットで日記を書いている全ての凡庸なネットワークの子らは今すぐ和田豊を見習うべきです。恐らく3時間も推敲を重ね、文章を吟味してから日記を掲載している人なんて、繋ごうと思えば一日中ネットできる環境にある学生日記書きさんでも、殆どいないのではないかと思います。


それなのに、現在セ・リーグの首位を走る球団、その球団のバッティングを支えて多忙を極める打撃コーチが、毎日PCの前で彼の更新を楽しみにしているファンの為に、試合後の疲れた体に鞭打って3時間もかけて日記を連日書いている。
同じ日記書きとして、なんと尊敬に値する態度なのでしょう。


みんなもっと面白い日記を書くために、丁寧な下書きをするべきだ。そしてそれを破れ。紙を破って電脳空間へ飛び出すのだ。お前の日記が面白く無いんじゃない。下書きも推敲もしないお前の態度がつまらないんだ。ネバーネバーネバーサレンダー。